
ラオス事業担当: 川合千穂
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於:丸幸ビル2F会議室
JVCラオスの現地代表として、昨年1年、森林に、農業に、ラオスの村人にとってよりよい活動を目指して奮闘してきた名村が9月に一時帰国し、ラオスボランティアチーム主催で報告会を実施しました。活発な質疑が繰り広げられましたので、その記録をご紹介します。
1) カムアンプロジェクト概要
・1993年〜:地域共有林保全プロジェクト (上記に加えて)1997年〜:地域の資源を生かした自然農業プロジェクト
2) プロジェクトについて(報告概略)
(2本の柱) 生活の安定化:森林保全活動、生活の向上:自然農業の推進
<自然農業のコンセプト>
化学肥料や農薬などを用いた商品作物栽培は、経済的、環境的な意味でもリスクが高い。 →地域の資源を最大限活用した(低コスト、自然環境を破壊しない)農業を推進
<具体的な支援方法> 1. 地域の資源を活用した農法(堆肥、緑肥、マルチングなど)の紹介(トレーニング/スタディツアー) 2. モデル農園(共同農園)を通じた実践農家の育成と、そこを拠点とした拡大(Farmer to Farmerアプローチ)
自然農業推進からの結果、問題⇒教訓:1. 地域開発の種は地域にあり(こちら主導の「生活改善」ではなく、村でやっている「生活修繕」のお手伝い)、2. ある程度、効果(収量増、収入増)を分かりやすくする、3. それでもやっぱりFarmer to Farmer
<現在の展開> 生活改善活動:家庭菜園及び水環境改善、果樹栽培支援、その他
3) 主な質疑
Q: なぜ農業を支援したのか? また、具体的な目標は何か? 名村: このプロジェクトの前に回転資金の活動を実施していた。米不足に対し、米を貸し出し、収穫時に返却する米銀行を行ったり、養鶏をしたりしていたが、生活の根本的な部分で支援する必要を感じた。村人の主な生計手段は農業はなのでこれに焦点を充てた活動を97年に開始した。環境にやさしい、地域の資源を活用した方法で土の改善を行った。
Q: 村人は環境を配慮することに興味があるか? 村人とNGO側の思惑が食い違った場合、活動はうまくいくのか? 名村: 環境に配慮するだけでなく、生産増や収入増などの利益を結びつけないと活動はうまくいかない。果樹栽培を推進することにしたが、果樹は3〜5年先を見込んだ利益を考えている。パイナップル苗を支援することで、1,2年の短期的な利益にも配慮している。
Q: 自然農業の報告でマルチは多くの世帯が実施したとあるが、その結果、何か改善につながったのか? 成果は何か? 名村: 活動では教えた自然農業技術を村人が採用したかを見ている。このため、村人が採用し、実施していればそれでOKとしてきたので、そこから具体的な収益があったかは分からない。収益が上がったとしても、それが何の要因によるものなのかは明確になっていない。つまり、マルチを実施することで生産量が上がったかについてはデータが無い。
Q: プロジェクトの終わりをどう決めているのか? 目標が達成されたら終了か? 名村: 森林分野については、プロジェクトの終了の目安を定めているが、農業については終了の基準は明確には無い。村人の要望や状況を見ながら活動を行っている。それぞれの成長(発展)に合わせてまた別の問題を解消すべくプロジェクト目標が組まれる。
Q: ラオスはどの位貧しいのか? 名村: 餓死して人が死ぬということは聞いたことが無い。
Q: しかし、乳幼児死亡率が高いという問題もある。 名村: 医療施設や設備などの不足により、医療をうけることができる機会が少ない。
Q: プロジェクトの発案はどうやって行われるのか? 村人のニーズからか? JVCからか? 名村: プロジェクトの立ち上げ時に村人から意見を聞いているが、農業という分野で自然農業推進の活動を実施するという目標は、最終的にJVCが行っている。日常の活動は村人がやりたいと思うことを尊重してアドリブで行っている。ただし、村人の要望全てに答えている訳ではない。改善のために村で活動しているが、村人だけでやれないことに手を貸している。 C(ボランティアチームメンバー): プロジェクトが開始されたのは、タイにモノカルチャーなど近代農業による悪い影響が起き、開放的な政策を取り始めたラオスへの影響が心配されていた頃。貨幣経済、森林減少などタイの事例をラオスの人たちに見せて学習してもらう意図があった。ニーズ(要求、必要とされているもの)はウォント(欲求)と違い、意識されるとは限らない。(自給自足的な農村に商品経済の波が押し寄せてきたときに)本当に必要とされるのは何か、JVCは正解の無い問いに取り組んでいる。
(ラオス事業担当:川合千穂)
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