指揮者・ソリスト紹介
2011年のコンサートに出演する指揮者とソリストの紹介です。
指揮者 延原 武春
バロックからベートーヴェンまでの18世紀音楽を専門とする指揮者。1963年にバロック音楽を啓蒙することを活動の大きな柱としてテレマン・アンサンブル(現・テレマン室内オーケストラ)を創設。彼らを率いて「大阪文化祭賞」をはじめ「文化庁芸術祭・優秀賞」(関西初)・「第17回サントリー音楽賞」(関西初)等の数々の賞を受賞。
テレマン室内オーケストラや自身が指導するテレマン室内合唱団とともに、教会の聖堂を舞台としてG.Ph.テレマン作曲の「マタイ受難曲」やマテゾン、テレマン、ヘンデル、カイザーが競作した「ブロッケス受難曲」など本邦初演の18世紀のオラトリオや宗教曲を次々に公演。又、その活動は18世紀の作品を超え、W.A.モーツァルト「レクイエム」、F.J.ハイドン「天地創造」、「四季」、M.ハイドン「レクイエム」、L.v.ベートーヴェン「荘厳ミサ曲」、G.フォーレ「レクイエム」等へと拡張していった。
器楽曲のレパートリーは更に広く、J.E.ガーディナー、F.ブリュッヘンやC.ホグウッド、G.ボッセといった指揮者のほか、M.アンドレ、F.アーヨ、M.ラリュー、J.ランパル、H.J.シェレンベルガー、P.ダム、A.ビルスマ、J.ヴァーレーズ、B.ジュランナー、G.カーなど、各ジャンルの名手たちとの共演を重ねてきた。
延原を語る上で特筆すべきは「第九」。1982年、初演当時の編成とベートーヴェン自身の指定したテンポに基づいて演奏。この新鮮な解釈は世界初の試みであり、画期的なアプローチとして迎えられた。J.E.ガーディナーやC.ホグウッドら古楽系の指揮者がその録音を参考にするため自国に持ち帰っている。「100人の第九」と題された当公演は人気シリーズとして現在でもザ・シンフォニーホールにて公演継続中。2006年11月には「ピリオド・インストゥルメント・プレイヤーズ」(PIP)を立ち上げ、クラシカル楽器(古典派時代のピリオド楽器)による第九を公演。さらに2008年にはベートーヴェンの交響曲全曲および合唱幻想曲、荘厳ミサ曲の計11曲を、クラシカル楽器を使用して指揮するという連続公演を行った。この公演が引き金となってドイツ連邦共和国より「ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章」が贈られた。
これまでにライプツィヒ放送オーケストラ、ゲヴァントハウス・バッハ・オーケストラなどのほか、オーケストラ・アンサンブル金沢、九州交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団などを指揮し好評を博している。2009年には大阪フィルハーモニー交響楽団を指揮。2010年より同オーケストラを連続的に指揮するシリーズがスタート。3年をかけてベートーヴェン交響曲全曲を公演する予定。第一回目の5月公演は「『大阪フィルの次代を拓く』と言って過言ではない名演」と絶賛された。さらに第二回公演は「『田園』がかくも力強く、生命力にみちた音で鳴り響いたことはなかったのではないか」(評:故小石忠男/日本経済新聞9月30日夕刊)という評を得た。また10月には日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会(横浜)を指揮。そのライブからブラームス交響曲第1番が2011年2月にCDとしてリリースされ話題となる。
「ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章」「兵庫県文化賞」「神戸市文化奨励賞」「第9回井植文化賞」「第15回ブルーメール賞」「平成12年度兵庫県功労者表彰(県民生活振興功労賞)」等が授与されている。
ソプラノ:アンナ・デニス(イギリス)

アンナは、英国王立音楽院で、ノエル・バーカーに師事。ブリテンの『戦争レクイエム』をベルリン・フィルハーモニーと、モーツァルトの『ハ短調ミサ』をニューヨークのクラリオン音楽協会と、モーツァルトの『エクスルターテ・ユビラーテ』をロンドン・モーツァルト・プレイヤーズと共演している。 近代音楽とバロックに造詣が深く、ベリオの「民謡」、ペルゴレージの『スタバト・マーテル』、そしてシェーンベルグの『月に憑かれたピエロ』などは、BBCラジオで放送された。
アンナは、エレナ・ランガー作曲の『砂の少女』と『アリアドネ』のオペラ版の主役をアルメイダ劇場で初演。最近では、モーツァルトの『イドメネオ』のイリア役、モンテヴェルディの『情け知らずの女たちのバッロ』のル・イングラータ役などを演じている。
カウンターテナー:オーウェン・ウィレッツ(イギリス)

オーウェンはシェフィールド大聖堂で合唱を学び始め、リッチフィールド大聖堂にて研鑽を続ける。英国王立音楽院にて、ノエル・バーカー、デヴィッド・ロウ等に師事。
また、オーウェンは、ジョン・エリオット・ガーディナー、ローレンス・カミングズ、クリスチャン・カーニン等、多くの一流演奏家たちとも共演。バッハ『ヨハネ受難曲』、パーセル『聖セシリアの日のための頌歌』、モーツァルト『大ミサ曲』などのコンサートに出演している。また、彼はモンテヴェルディの『ポッペーアの戴冠』でオットーネを、ヘンデルの『オーランド―』の主役を演じるなど数多くのオペラの経験を持つ。
今後は、クリスチャン・カーニンとヘンデル『ロデリンダ』のウヌルフォ役での出演、ルーヴル宮音楽隊とのバッハ『マタイ受難曲』のツアー等への出演が予定されている。
テノール:ジェームズ・ドゥーイング(アメリカ)

アメリカのテナー、ジェームズ・ドゥーイングは、コネティカット大学修了。在学中に、1983年のレイク・ジョージと1984年のサンタフェでのAGMA青年訓練プログラムに参加。サンタフェにおいてオランダ・オペラ・スタジオから招きを受け、オペラの国際舞台への道を開き活動の場を広げている。
ジェームズは、モーツァルトのオペラとバロック音楽、特にJ.S.バッハを専門としている。バッハの『マタイ受難曲』や『ヨハネ受難曲』のエヴァンゲリストとして100回近く歌っており、またバッハの『クリスマス・オラトリオ』やヘンデルの『メサイア』で何度もソロを務めた。1998年にはミルウォーキー交響楽団と、1999年にはコンサートヘボウ室内管弦楽団とバッハクワイアーと初共演。20世紀音楽の正統的歌い手として、オランダ、サウス・バンク、またアルデバーグ音楽祭等に招かれている。
バス:セドリック・ベリー(アメリカ)

バス・バリトンのセドリック・ベリーは、南カリフォルニア大学で学士と修士を修了。彼は様々なオペラの役をこなしてきた。彼が初めてオペラを演じたのは、ヘンデル『ジュリアス・シーザー』のプトレマイオス役で、これを機にバロック作品への出演が増えた。特にヘンデルの『メサイア』は大好評を得、アメリカの様々なオーケストラと共演している。
セドリックのヨーロッパでのデビューはスペインで、ガーシュインの『ポーギーとベス』のジェイク役。サボリナ・オペラ音楽祭でLAオペラと共演し、パリのボンリエー・ブルース音楽祭では、ポール・ロブスンの記念コンサートを行った。
彼は、メトロポリタン・オペラ西部コンクールで一位をとるなど受賞。 2011年5月には、ウォルト・ディズニー・コンサートホールでLAマスターコラールと共にデューク・エリントンによる宗教曲を歌った。

