自分の顧客層がいる場所に向けて直球のメッセージをダイレクトに投げる:セミナー参加感想

4/15(水)、ブログ上でのマーケティングに強いAMN主催のセミナー、『第6回 アジャイルメディア・マーケティングセミナー 「消費者の声と対話が変えたマーケティング」 ?”ソーシャル”でなければマーケティングは生き残れない?』に参加しました。

セミナーのタイトルから想像されるように、ウェブ上でのマーケティングをソーシャルに展開するにはどうすればいいのか、を考えるセミナーでした。これを受けて考えたのが、エントリーのタイトルである、『自分の顧客層がいる場所に向けて直球のメッセージをダイレクトに投げる』ということでした。

講演者は以下の3名。

  • スケダチ 高広伯彦氏
    『”メディア”の理解から”オーディエンス”の理解へ』
  • ライフネット生命保険 出口治明氏
    『ソーシャルと取り組むマーケティング』
  • 東芝 荒井孝文氏
    『ソーシャルメディアを活用したマーケティング事例』

ここでは前2者について記録を残しておきます。

『”メディア”の理解から”オーディエンス”の理解へ』

この枠では、広告をどのように効果的に出すべきかを、「これまで」と「これから」を比較して説明されていました。生活者(=消費者)について、広告全体について、セグメンテーションについて、有効な広告の定義について、などなど。既知のこともありましたが、いちいちナルホド、とうなずきながら聞いていました。

生活者(=消費者)について

『明日の広告』や『戦略PR』でも触れられているとおり、以前よりも生活者(=消費者)は賢くなっている。また、生活者を取り巻く情報量も膨大な量になっている。かつ、情報を発信する立場(=メディア)にもなりうる。

広告全体について

「これまで」の広告である impression と rearch から算出される広告出稿は投網漁のようなもの(このへんに顧客がいるだろうからこのくらいの量を投下すればいいだろう)という理解。

これに対して「これから」は、顧客に対して relevancy(関連性)と acceptancy(許容度)のどちらからが高い広告でなければ受け入れられないだろう、とのこと。

relevancy の例で出されていたのが、いわゆる検索連動型広告や、ゴルフのtips番組(=主にゴルフ初心者が視聴する)に出す中古のゴルフギア販売広告、といった具合でした。

acceptancy の例では、数十分の無料通話サービスがついたSIMカードを無料で配布して、かわりに一日数回の広告メールを出す、という(たしか)北欧の携帯電話向け広告配信サービスの例を出されていました。あらかじめ広告がくることを生活者(=消費者)が受け入れる状況を作っている、というわけですね。

セグメンテーションについて

個々人のニーズが細分化している現代では、「これまで」のセグメンテーション方法であるいわゆる「F1層・M1層」といったものよりも、「これから」のものとして tribe を基準に考えるべきとのこと。ここでの tribe とは、もともと何らかのつながり・関係を持った人たちのことを指しており、彼ら/彼女らが普段利用している場所に広告を出す、もしくはそうした場所を自ら作る、といった方法でした。

同様の例として、「これから」の広告は路上の自動販売機のように、自分のサービスを買ってくれる人がいる場所に広告を出さなければならない、とされていました。なるほどなるほど。

先ほどのゴルフのtips番組も、ある意味で広告出稿のために番組自体が作られたとのこと。また、viral (口コミ)に関しても、F1/M1という枠では広がらず、あくまで特定の tribe 内でのみ広がるもの、とされていました。

大事なことは、いかに自分の顧客となりうる tribe を見つけるか・つながるか・場を作り出せるか、ですね。

有効な広告の定義について

よく、「刺さる」広告が素晴らしいという言葉を聞きますが、「刺さる」広告から「動かす」広告へ、と言われていました。

これは、広告宣伝における消費者の購買時の心理フローとして提示される AIDMA や、最近提唱されている AISCEAS といったフロー上で、生活者(=消費者)を現時点のステータスからその次の段階に「動かす」ことができる広告が素晴らしい、ということですね。あくまで、広告自体がすばらしい(広告賞をとったり予算を大量に投下するような)ことではなく、商品やサービスを販売することに寄与できる広告にこそ価値がある、という考えだなと理解しました。

…考えてみれば当たり前なのですが、いままではそうではなかった、ということなのかな?

『ソーシャルと取り組むマーケティング』

今回の3者のプレゼンテーションのなかで、個人的にはこの枠が一番興味深かったです。理由は、プレゼン資料がどうこうというよりも、その組織の代表が直接メッセージを伝える、ということにつきますね。

出口氏はライフネット生命の代表取締役なのですが、組織が生まれた経緯や保険業界の課題点を提示し、それに対してライフネット生命がそれを解決すべくサービスを生み出してきたことなどなど。とつとつと語るビジョンとストーリー、こういったプレゼンを見ると、「プレゼンは人間力」なんだ、と改めて思わされてしまいますね。

営業方針として以下の4つをあげられていました。

  1. 正直に話すこと(話し続けること)
  2. トップが直接話すこと
  3. 周りに紹介しやすくすること
  4. フォローし続けること

また、最後に(ある意味臆面もなく)「ライフネット生命を応援してください」と言えることは、NPO/NGOにとっては参考にすべきことですね。もちろん、単に「応援してください」「支援してください」というだけでなく、その時点までに「この人をちょっと応援してあげたいな」と思わせることが必要なのですが。

公式サイトに説明のある『志カード運動』や『志バナー運動』なども、非常に参考になります。自団体でも進めるよう、来週の広報ミーティングで提案しよう。ウェブ上のツールだけで考えるのでなく、これらも十分に”ソーシャル”ですよね。

翌日、なぜこのプレゼンが一番印象に残っているんだろうと考えていて、わかりました。僕自身が、ちょうど「毎月の保険料の高さにうんざりしている30代」(しかもNGO勤務という低所得者層でもある)という、ライフネット生命からみればまさにドンピシャの顧客層だった、ということが大きかったのですね。

では、どうするのか

このイベントで得たこと・ものをまとめたものが、エントリーのタイトルでもある、『自分の顧客層がいる場所に向けて直球のメッセージをダイレクトに投げる』ということです。

…どうも最近、改めて本を読んだり話を聞いたりしても、なんとく当たり前と思える指針が出てくるわけですが、それはなぜかというと、その当たり前のことが、まさにできていない、からなのでしょう。

メッセージの集約、自団体におけるペルソナやtribeの把握、そこに届けるメソッドの確認などなどを続けたいです。

ちなみに私はJリーグのジェフ千葉のファン(サポーターとまではいかないライト層)なのですが、そこの強化部長が今年のサポーターデーで言われていたことが印象的なのでここにあげておきます。

一部社長の言葉からぱくっているところもありますが、ABCDで。
A。当たり前のことを。
B。ばかにしないで。
C。ちゃんとやる。
D。どんなときも。

日々精進ですね。皆さんも、ABCD でいきましょう。(…あれ? なんかエントリーの主旨と違ってきたような…)

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